雑用という名の仕事はない

出版社で働くMさんは若いころ、上司にコピーを頼まれると、
“どうして自分が雑用なんかを……。早く終わらせて自分の仕事に戻りたい”
という思いしかありませんでした。

そんな気持ちで片付けたコピーは、原稿の途中で切れているページが何枚もありました。
しかもコピーが終了したことも報告していなかったため、上司からは一喝。
この失敗から、Mさんは
「コピーを取るという仕事を疎かにしない」
「受け取る相手に満足してもらえるように、枚数や抜け、重なりがないかまでしっかり確認する」
「終わったら必ず上司に報告する」
という3点を心がけるようになりました。
すると、“コピーなら任せてください”という「小さな誇り」まで感じるようになったといいます。

雑用という名の仕事はありません。雑用と思うかどうかは自分の心次第です。
自己中心から相手中心の見方に変わるとき、仕事の意味を再発見できるのです。

(出典:ニューモラル 心を育てる言葉366日)