2017年9月

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こんにちは。オンラインショップ担当の小林です。

 

 

薄暗い夕暮れ時。

子供が塾に行っている隙間の時間で、スーパーに立ち寄りました。

ところが、駐車場は満車。

一か所だけ、停めにくい場所が空いていました。

 

「なんとかなる!!」

 

その判断を、すぐ後悔……。

停車している周囲の車にはまって、動けなくなってしまったのです。

 

斜め後ろに停車していた車に、運転者と同乗者が戻って来ました。

「ああ! この車が動いてくれたら……」

と期待したのですが、発車する気配がありません。

 

あれ? もしかしたら同乗者がまだ店内にいるのかな?

それとも、私の車が邪魔で発車できないのかしら!?

焦って車外へ出たところで、見知らぬ女性が話しかけてきたのです。

「あなた、この場所に入れたいのよね?

それで動けなくなっちゃったのよね!?

私に技術があれば、あなたの代わりに入れてあげたいのだけど……」

 

「まあ……。優しいお言葉をありがとうございます。

ご心配をかけて、すみません。

ぶつからないように、頑張りますので……」

 

「じゃあ、私はここで失礼するわね。頑張って!!」

そう言うと、その女性は斜め後ろの車の方にも声をかけました。

「あなたの車の横にとめたくて、はまっちゃった

みたいなの。本当にごめんなさいね。

ぶつからないように、ちょっとずつ動かすそうです

から、許してあげてちょうだいね」

そう言って、店内へ入って行かれました。

 

女性が去ってから、その車はすぐ駐車場を出て行かれました。

そうか……後方の車の方に自分から一声かけるべきだったんだ……。

 

その女性には、トラブルからも救っていただいたの

かもしれないという、感謝の気持ちでいっぱいでした。

そして、反省することがなんと多いことか……。

 

 

日本ピア・サポート学会 理事の山口権治先生の著書

不登校・いじめを起こさない集団づくり――ピア・サポートに学ぶ

から一節をご紹介します。

――ピア・サポートとは、「ピア=仲間」

「サポート=支援・援助」であることから、

「仲間による支援」を意味し、子供たちが相互に

支え合う活動を指します。

(中略)ある調査によると、いじめが発生した

クラスの生徒を被害者・加害者・傍観者に分けた

場合の構成比率では、傍観者が約85パーセントに上っています。

この大多数を占める傍観者を

「思いやりある仲裁者」に変えることができれば、

いじめ発生に対する強力な抑止力になると考えられます――  

 

 山口先生が勤務先の高校等で指導してきた

ピア・サポート活動のノウハウが詰まった1冊。

傾聴などのコミュニケーション訓練や、

問題を抱えた仲間と感情を共有し、

解決のための方法を検討したり、

友人同士のもめごとを仲裁するなどの訓練を行い、

「個」と「集団」を育てているそうです。

有意義なプログラム、私も興味ありです!!

 

 

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こんにちは。オンラインショップ担当の小林です。

 

 

住宅地の中に残る森。

ここで、子供たちが森の保全活動のお手伝いをしています。

スローガンは「自然体験をする子供から自然を守る子供へ」。

子供たちが楽しく保全活動に参画できるようにと、

保全団体の代表が活動内容をコーディネートしてくれているのです。

 

数年前のことです。

集まった子供たちの中には、反抗期の子も多くいました。

さて、サポーターである大人として、私はどう向き合えばいいのだろう……。

 

そこで、代表に相談しました。

「子供たちを見ていると……積極的に活動する子、

手伝わないで遊ぶ子、どちらでも良いという子、の3タイプに分かれます。

どちらでも良いという子は、周りの様子を見て自分

の行動を決めるので、最終的には遊ぶ子が多くなるのが現状です。

とはいえ、叱ることは、お互いにとって得策と思えません」

 

すると代表はこんな話をしてくれました。

「アリの世界でも、よく働くアリがいる一方で

働かないアリもいて、よく働くアリだけを集めた

としても、その集団の中でまた働かないアリが

出てくるという話がありますね。

もしかしたら……働きアリが疲れた時や何かあった

時は、休んでいたアリの出番になるんじゃないでしょうか。

 

ただ、その子たちも遊ぶだけではいけません。

遊びだっていつかは飽きてしまうものです。

仕事は自分を成長させるうえでも大切なことです

から、仕事の時間を2時間と決めませんか?

そして皆でお昼をいただいた後は自由時間でいかがでしょうか 」

 

「参加させるには」とばかり考えていた私。

でも、彼らはとても自然体だったんだな~と気が付きました。

「彼らを受け入れる」というベースが私の中に

生まれ、それまで張り詰めていた緊張の糸がやわらいだように感じました。

  

現在は中学生になった子供たち。

学校のボランティア部に入り、今でもお手伝いに参加している子もいます。

  

 

道経塾』で連載中、東京大学名誉教授の月尾嘉男先生の「100年先を読む」。

110の「無用之用が組織を永続させる」から一節をご紹介します。

――機械装置には「遊び」という仕組みがあり、

アクセルには踏み込んでも一定の範囲は作動しない余裕がある。

これが円滑な動作を保証している。

現在の社会は眼前の有用を過度に追求しすぎるが、

それは長期の発展を保証するわけではない――

 

 「無用の用」、なるほどです☆

 

 

● 月尾嘉男先生の著書『幸福実感社会への転進』も好評発売中!!

 

 

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こんにちは。オンラインショップ担当の小林です。

 

 

息子が小学校に上がる前。

夫方の父と母を連れて、車で家族旅行に行った時のことです。

 

立ち寄ったコンビニで買い物を終えて車に戻ると、父がいません。

「あれ? おじいちゃんは、まだ?」

すると母が

「おじいちゃんは、さっきから誰かと話しこんでるよ」

 

コンビニの脇で、2人が何やら談笑しています。

「だいぶ仲良しみたいだね。偶然に入ったコンビニ

だけど、知っている人だったのかしら?」

 

しばらくして、父が車に戻ってきました。

「おじいちゃん、知っている人だったの?」

 

「いいや、さっき会ったばっかりだ。この辺りの

道に詳しいかと思って、話しかけたんだよ」

 

「えー! 知らない人だったんですか!?」

 

すると、夫が息子に

「いいか! これが、おじいちゃんの特殊能力だ!

おじいちゃんは、初めて会った人でも自分から

話しかけて仲良くなれるんだ。

おまえにも、その血が流れているんだぞ!!」

 

そういえば、父は我が家へ遊びに来た時も、

玄関外の階段に腰掛けて、通りかかる近所の人に

話しかけては、おしゃべりを楽しんでいます。

 

 

あれから数年。

今では息子が

「今日、おじいちゃんの特殊能力を使ってみたんだ」

とか、

「だって、ぼくにはおじいちゃんの特殊能力があるから!!」

などと、いつの間にか口にするようになりました。

 

ニューモラル』 全国敬老キャンペーン特別号から、一節をご紹介します。

 

――私たちは「同じ時代を生きる人」も「前の時代

を生きた人」も含めた多くの人たちのおかげで

「生かされて生きている存在」です。それは

「私という人間は、大勢の人たちから大切に思われ

ている、かけがえのない存在である」ということで

もあります。誰かから直接的に世話をしてもらった

ことだけでなく、目には見えないさまざまな

「おかげ(恩恵)を正しく認識したとき、私たちの

心の中には「安心」が生まれ、人生を生き抜くため

の力が湧き起こるのではないでしょうか。――

  

 

 おじいちゃんの特殊能力は、勇気のタネとなって、

孫の心にしっかりと根付いたようです。

 

 

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こんにちは。オンラインショップ担当の小林です。

 

 

「オススメの本、ありますか?」

隣の席の編集者・外池さんに尋ねたら、紙芝居を出してきてくれました。

 

 

モンキチ森のポンタの木

セリフのある登場人物は、子猿のモンキチ、子狸のポンタ、猿の長老、若い猿。

4役の声をそれぞれ変えて、10歳の息子の前で読んでみました。

 

「モンキチ森のポンタの木、はじまり、はじまり~」

 

 

ポンタの純粋さ。そして、平和への願いと、強い信念。

モンキチの誠実さ。そして、ポンタへの深い友情と、心の中の葛藤。

 

物語の中盤から、読み手の私のほうが先にウルウルときてしまいました。

 

「モンキチ森のポンタの木、おしまい……」

 

息子もうっすらと涙目で「感動した!」の一言。

もしかしたら、この物語は誰かに1回読んでもらうだけでは、もったいないかもしれません。

 

ということで、今度は息子に読み手になってもらおうかな~と思います!

また違う涙が息子から流れるような気がする、そんな物語です。

 

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