心を動かす言葉の力

こんにちは。オンラインショップ担当の小林です。

 

 

私が小学校5年生の時。

担任の先生が突然

「皆さん、このクラスで一番、字が上手な子は……」

と言うと、私の名前を続けたのです。

 

私は、絵を描くことが大好きで、字を書くことが大の苦手。

字を練習するくらいなら、絵をたくさん描いて

いたいと思っていました。

 

“字は、はっきり下手だと自覚しているくらいなの

に、そんな私が1番のはずがない!

先生は嘘をついている……。

もしかしたら先生は、皆の前で褒めることで

私のやる気を引き出そうとしているのかもしれない。

だとしたら、先生の策にはまるものか!”

そう、とっさに思いました。

 

私の名前を聞いたクラスメイトも大混乱。

「えー、何でなの? 先生!!

字が上手な子は他にいるじゃない!」

 

納得がいかない友達は、数人で抗議に行きましたが

それでも先生は発言を撤回しません。

それどころか

「いいえ。私はともこさんが一番上手だと思います。

皆さんも、見習ってたくさん練習しましょうね」

と言うのです。

先生の言葉に、傷つく友達もいました。

 

“これは本当に困ったことになったぞ……。

先生は本気で、いちかばちかの賭けに出ている。

そこまでして、私をその気にさせたいんだ……”

先生の気概を感じ、私の気持ちはだんだん変わっていきました。

 

よし! 字を練習してみよう。

 

 

野口芳宏さんの著書

『子供の挑戦 大人の出番』

から一節をご紹介します。

 

――どんな人と、どう出合ってきたか、それは、

その人の歩みを大きく変えていくことになる。

「朱に交われば赤くなる」と諺(ことわざ)は

教えている。誰と出合い、何を語るか、

その選択の如何が、どれほど大きくその人の将来を

変えていくことになるか、計り知れないものがある――

             

  

『子供の挑戦 大人の出番』

子育てについての考えを深めるためのヒント集。日常生活の中で「自立」の心をどう育てるかを問いかける。

 

   

多少のリスクを負っても、子供を「苦手なこと」に

挑戦させようとした恩師。

出会えて良かった!!

 

 

 にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 「本・読書情報」に参加しています。