「受けとめ方」を変える

投稿日:2017年10月27日

 

毎日の生活の中で起こる出来事は

必ずしも自分にとって都合のよいことばかりではありません。

時には納得のいかない事態に直面することもあるでしょう。

不本意であってもその出来事と向き合い、

目の前の事に当たっていかなければならない――

そんなとき、どのようにしてこれを乗り切ればよいのでしょうか。

 

 

■どうして自分だけ……

 

あるメーカーに勤務するMさん(32歳)は

営業部の主任として、忙しい毎日を送っています。

しかも仕事が立て込んでいるときに限って

上司から別の仕事を言いつけられるのです。

 

はじめは張り切っていたMさんも、立て続けに仕事が舞い込むと

“面倒だな”という後ろ向きの気持ちがわいてきます。

最近では、こんなふうに思うようになりました。

 

“ほかにも人はいるのに、どうして自分だけ……”

 

 

■期待されているから頼まれる?

 

仕事であれ、勉強であれ、私たちの日常には

「たとえ気が進まなかったとしても

どうしてもやらなければならないこと」があるものです。

 

そんなとき、義務感だけでいやいやそれをこなそうとするのでは

どうしても気持ちが重くなるでしょう。

同じ「やらなければならないこと」であるのなら

その出来事にも何かしらの意味を見いだして

明るく前向きに受けとめたいもの。

そのためにも、自分自身の「受けとめ方」にほんの少しだけ

今までとは違った意識を向けてみてはいかがでしょうか。例えば……

 

◯この仕事ができたら、自分はもっと成長できる

◯忙しいときこそ、時間管理能力を身につけるチャンス

◯自分への期待を込めて、仕事を任せてくれている

 

同じような状況で同じような出来事に遭遇したとしても

その出来事の受けとめ方は、人によって異なるものです。

一つ一つの出来事と、それに対する自分自身の心の動きは

小さなことのようであっても、それが積み重なり、習慣となっていけば

人生そのものにも大きな影響を及ぼすのではないでしょうか。

 

 

■別の角度から見つめ直す

 

「自分の人生の中で起こった出来事」は

よいことであっても悪いことであっても

自分自身の責任で受けとめるしかありません。

 

中には「無意識のうちに招いてしまった事態」も

「直接的には自分の責任ではないこと」もあるでしょう。

そうした事態に悩み苦しみ、

“どうして私だけが”“あの人のせいでこうなったんだ”などという

被害者意識に陥りそうになったときは、ひと呼吸置いて

周りをゆっくりと眺めてみましょう。

 

自然環境や社会をはじめとして、自分を支えてくれている多くの物事。

周囲の人たちが何気なくしてくれている心配り。

不都合と感じる物事の中に見いだしたプラスの側面……。

これらは物事を、あるいは人間関係を

別の角度から見つめ直すことで得られる「気づき」といってよいでしょう。

 

その小さな気づきから“ありがたい”という感謝の気持ちが芽生えたとき

心の中に余裕が生まれ、元気が出てくるのです。

 

そして、物事のプラスの側面に気づくことが多くなるほど

“いやだ”と思うことは少なくなり、

楽しみや喜びを感じる時間が増えていくことでしょう。

 

そうした心の習慣が、納得できない出来事に遭遇した際も

事実を冷静に受けとめたうえで前向きに対処していける

「強さ」をもたらしてくれるのではないでしょうか。

 (『ニューモラル』544号より)

 

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