いわゆる「A級戦犯」合祀は、
首相の靖国神社参拝が議論となるたび、キーワードのごとく取り上げられる言葉です。
では、いったい「A級戦犯」合祀はどのような経緯で行われ、いつから問題となったのでしょうか。
靖国問題の権威である著者が問題の核心を衝き、解決に向けた方策をわかりやすく述べています。
大原康男 著
64頁 A5判 ISBN: 978-4-89639-160-2
【主な内容】
- 靖国神社問題の始まり
- 政教分離と公式参拝の復活
- 「A級戦犯」の合祀問題
- 靖国問題は国内問題
- ナチス親衛隊の墓に参詣するアメリカ大統領に対する批判
- 東京裁判の問題点――国際法と歴史認識
- 靖国神社における合祀の手続き
- 「戦犯」の合祀の経緯
- 講話条約発効後も釈放されなかった「戦犯」
- 当時の国民の「戦犯」に対する思い
- 戦犯に対する慰問活動
- 合祀経緯と歴史認識
- 大平首相の参拝と「A級戦犯」合祀問題の発端
- 中国による靖国参拝批判の矛盾
- はたして「A級戦犯」分祀だけで済むのか
- 全国戦没者追悼式の対象は「戦犯」も含む
- 中国政治家による文化干渉
- 世界各国の要人が参拝する靖国神社
- 論拠が破綻している中国の主張
- 事実を踏まえた議論の必要
<著者略歴>
大原 康男 (おおはら やすお)
昭和17年(1942)、滋賀県生まれ。
40年、京都大学法学部卒業。日清紡績株式会社勤務を経て、53年、國學院大學大学院博士課程(神道学専攻)修了。同大学日本文化研究所入所。同研究所教授を経て、平成14年、國學院大學神道文化学部教授。博士(神道学)、学位論文「神道指令の研究」。著書に『神道指令の研究』(原書房)、『「靖国神社への呪縛」を解く』(小学館文庫)、『平成の天皇論』『帝国陸海軍の光と影』『現代日本の国家と宗教』『詳録・皇室をめぐる国会論議』(展転社)、『教育勅語』(神社新報社)など多数。