人はいかに生きるべきか―125年前の道徳教材
明治時代の小学校教師が集めた「史実に基づく道徳教育の題材」150話(全3巻)を完全復刻。
巻之一には、小学校2年生に語り聞かせた「先人の生きる姿」50話を収録。
廣池千九郎 著
A5判・並製 131 頁
【主な内容】
- 1.貧しくとも学ばざるべからず
- 2.人は貧しくとも学に篤ければ卑しめられず
- 3.貧しくとも親を大事にすべし
- 4父母、病あらば傍らに侍るべし
- 5.父母、難にかからば身をもって代わるべし
- 6.業をはげみて親を養うは子の務めなり
- 7.男子は兵役に就くを喜ぶべし
- 8.養育の恩は山より高く、母の恩は忘るべからず
- 9.徳、孤ならず、ゆえに小徳も行うべし
- 10.わが身栄ゆるに至るも人の恩を忘るべからず
- 11.世益を図るは男女にかかわらず
- 12.孝順の力、よく強盗の勢いを挫く
- 13.人に敬わるるは人を益するより来たる
- 14.たとい小物なりとも一見すればよく意を用うべし
- 15.人は老いても勉むべし
- 16.人は富貴なるも倹約すべし
- 17.身の運動を怠るべからず
- 18.友の危うきを見ば、直ちにこれを救うべし
- 19.人は正直なるべく、また温和なるべし
- 20.子は父母の心に従い、常に顔色を和らぐべし
- 21.人は頓知を養うべし
- 22.行いは正しくすべし
- 23.境にあるものは他人に譲るべし
- 24.人を思うこと、己を思うがごとくすべし
- 25.朝早く起くるは家の栄ゆる基なり
- 26.遊技を知らざるは恥にあらず
- 27.人のためには親切なるべし
- 28.無益の危険を冒すことなかれ
- 29.力を惜しまずして世益を図るべし
- 30.人を待つには誠をもってすべし
- 31.人は分に従いて孝養を尽くし得べし
- 32.よく働き、またよく楽しむべし
- 33.冨は勉強にあり
- 34.誰も力を尽くして世益を図るべし
- 35.恩を受けては忘るべからず
- 36.人は礼儀を守るべし
- 37.父母のためには艱難を辞すべからず
- 38.孝子は人の恵みあり
- 39.知りたることは人に教うべし
- 40.我を守りたもうは君なり、その恩を忘るべからず
- 41.人の艱難に遭うを見ば、力に従いこれを救うべし
- 42.仁義のためには金を出して惜しむべからず
- 43.妻は常に夫のことに心を用うべし
- 44.同国の民はなお兄弟のごとく親しむべし
- 45.身、死するとも朝廷に背くなかれ
- 46.たとい命を捨つるとも国の辱めをなすべからず
- 47.人の見ざるところにても悪しき行いはなすべからず
- 48.孝子は世の規範たり
- 49.一文の貯えも久しく積めば大金となる
- 50.国難に当たりては誰も力を尽くす
[付録] 改正新案小学修身口授書外篇(稿本/小学校1年生向け)
<著者略歴>
廣池 千九郎(ひろいけ ちくろう)
慶応2年(1866)3月29日、大分県中津市生まれ。青年期に教育者として初等教育の普及に取り組み、未就学児童のための夜間学校開設や、道徳教育の充実を目的とした『新編小学修身用書』の発行、日本初の教員互助会の設立などにも尽力した。さらに地方史の魁となる『中津歴史』を執筆、のちに『古事類苑』(日本最大の百科史料事典)の編纂に携わるとともに、「東洋法制史」という新しい学問分野を開拓、大正元年に独学で法学博士号を取得した。 大正15年、『道徳科学の論文』を完成させ、総合人間学モラロジーを創建。昭和10年、千葉県柏市に「道徳科学専攻塾」を開設し、モラロジーに基づく社会教育と学校教育を共に行う生涯教育をスタートさせた。現在、社会教育は公益財団法人モラロジー研究所、学校教育は麗澤各校(大学・高校・中学・幼稚園)を有する学校法人廣池学園へと受け継がれている。 昭和13年(1938)6月4日逝去。享年72。著書に『支那文典』『東洋法制史本論』『伊勢神宮と我国体』『日本憲法淵源論』『道徳科学の論文』ほか。