歴史とは、かくも勇気と誇りとやさしさを与えてくれるものなのか
日本人のよき国民性を発揮した先人たちの魂の物語。
幕末からの近現代の史実をもとに、みずからの「こころざし」に生きた日本人を描く珠玉の18編を収録。
ここに見る先人の生き方は、きっとあなたの胸に火をともすことでしょう。
今日忘れ去られた、日本人の「心と魂」を育てる道徳教材の一つです。
占部賢志著
344頁 四六判 ISBN: 978-4-89639-062-9
【主な内容】
はじめに――歴史とは自己を知る「鏡」
第一部 異文明との遭遇と交流の物語
- ・ 四百年の歳月を超えて届いた「感謝の言葉」――サン・フランシスコ号遭難と御宿
- ・ 鎖国下に見るべき幕末日本人の「進取の気象」――ペリー来航にいかに対応したか
- ・ 幕末日米交渉の光と影
- ・ 日本・トルコ交流史に刻まれた「惻隠の情」――エトゥールル号と「大島」島民
- ・ 柴山巌教育の灯――台湾近代教育に貢献した教師たち
- ・ ロシアと広瀬武夫――清く、直く、温かく、しかも力あり
- ・ 異国の学問を救った日本人――潰滅寸前のドイツ科学界に援助を続けた星一
- ・ 有島生馬の絵を読み解く――知られざる日本・ベルギー交流史
- ・ ショパンの国ポーランドと大正日本――名もなき日本人たちによる孤児救出の物語
第二部 歴史に見る「勇ましい高尚な生涯」
- ・ 近藤富蔵と『八丈実記』――人知れず祖国の文化に貢献した人生
- ・ 諸国遊学の中の吉田松陰――「発動の機は周遊の益なり」
- ・ 厳冬期富士山の気象観測に挑む――歴史に刻まれた「男女協同のプロジェクト」
- ・ 「稲むらの火」再考――浜口梧陵と勝海舟
- ・ この人を見よ――佐久間勉と第六号潜水艇自己の顚末
- ・ 御製一首の歴史的背景を読み解く――昭和天皇と白川義則大将
- ・ 鈴木貫太郎の名誉回復――謎の言葉「黙殺」をめぐって
- ・ 桜を守った男たち――文化を継承するとは
第三部 近代史再考
あとがきに代えて
<著者略歴>
占部 賢志(うらべ けんし)
昭和25年(1950年)福岡県に生まれる。現在、福岡県の公立高等学校に勤務。日本史を担当。この間、福岡県立学校生徒指導主事研究協議会事務局長、福岡県いじめ問題対策協議会委員などを歴任。 目下、学校勤務の傍ら九州大学大学院人間環境学府博士課程に在籍し、近代日本教育史の研究に取り組んでいる。また、「高校ホームルーム経営研究会」の代表として教育改革の実践的研究に当たるとともに、現場から新たな歴史教育の構築を提唱している。 共著に『教科書が教えない歴史』全4巻(扶桑社)、『戦後世代からの発言』(国文研叢書)、『決定版 高等学校「総合的な学習」実践ガイド』(小学館)、『移行期2000年版 ホームルーム経営12か月』(小学館)などがある。