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コラム

「無用の用」に学ぶ

2017年09月20日

こんにちは。オンラインショップ担当の小林です。

 

 

住宅地の中に残る森。

ここで、子供たちが森の保全活動のお手伝いをしています。

スローガンは「自然体験をする子供から自然を守る子供へ」。

子供たちが楽しく保全活動に参画できるようにと、

保全団体の代表が活動内容をコーディネートしてくれているのです。

 

数年前のことです。

集まった子供たちの中には、反抗期の子も多くいました。

さて、サポーターである大人として、私はどう向き合えばいいのだろう……。

 

そこで、代表に相談しました。

「子供たちを見ていると……積極的に活動する子、

手伝わないで遊ぶ子、どちらでも良いという子、の3タイプに分かれます。

どちらでも良いという子は、周りの様子を見て自分

の行動を決めるので、最終的には遊ぶ子が多くなるのが現状です。

とはいえ、叱ることは、お互いにとって得策と思えません」

 

すると代表はこんな話をしてくれました。

「アリの世界でも、よく働くアリがいる一方で

働かないアリもいて、よく働くアリだけを集めた

としても、その集団の中でまた働かないアリが

出てくるという話がありますね。

もしかしたら……働きアリが疲れた時や何かあった

時は、休んでいたアリの出番になるんじゃないでしょうか。

 

ただ、その子たちも遊ぶだけではいけません。

遊びだっていつかは飽きてしまうものです。

仕事は自分を成長させるうえでも大切なことです

から、仕事の時間を2時間と決めませんか?

そして皆でお昼をいただいた後は自由時間でいかがでしょうか 」

 

「参加させるには」とばかり考えていた私。

でも、彼らはとても自然体だったんだな~と気が付きました。

「彼らを受け入れる」というベースが私の中に

生まれ、それまで張り詰めていた緊張の糸がやわらいだように感じました。

  

現在は中学生になった子供たち。

学校のボランティア部に入り、今でもお手伝いに参加している子もいます。

  

 

道経塾』で連載中、東京大学名誉教授の月尾嘉男先生の「100年先を読む」。

110の「無用之用が組織を永続させる」から一節をご紹介します。

――機械装置には「遊び」という仕組みがあり、

アクセルには踏み込んでも一定の範囲は作動しない余裕がある。

これが円滑な動作を保証している。

現在の社会は眼前の有用を過度に追求しすぎるが、

それは長期の発展を保証するわけではない――

 

 「無用の用」、なるほどです☆

 

 

● 月尾嘉男先生の著書『幸福実感社会への転進』も好評発売中!!

 

 

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